財産分与とは,夫婦が結婚生活を送っている間に,協力して作った財産を夫婦で分ける(一方が他方に分け与える。)ことをいいます。
簡単にいえば,夫婦の財産を半分ずつにするというイメージになります。
①夫婦の共有財産(名実ともに夫婦の共有に属する財産)
②夫婦の実質的共有財産(名義は一方に属するが,実質的には夫婦の共有財産と認められるもの)です。
具体的には,相手方名義になっている自宅,預金,自動車などについても,配偶者から財産分与を求めることができます。
③特有財産(一方が固有に所有していると認められる財産)は,原則として財産分与の対象にはなりません。
具体的には,相続財産などがこれにあたります。
離婚に伴う慰謝料とは,離婚の原因となった行為や離婚自体によって被った精神的苦痛に対する損害の賠償をいいます。
慰謝料が認められるケースとしては,①不貞行為,②暴力,③犯罪行為などがあります。
実務で比較的多いのは,①不貞行為に関する慰謝料請求ですが,立証が困難な事例も少なくありません。
離婚慰謝料が認められる場合でも,慰謝料の金額は機械的に決まるものではありません。金額は,具体的ケースに応じて様々ですが,平均的には100~200万円前後が多いようです。
婚姻費用とは,夫婦が普通の社会生活をするために必要な一切の生計費です。簡単に言えば生活費のことです。
たとえ別居していても,法律上婚姻関係が継続している限り,婚姻費用分担義務は免れません。従って,例えば別居中の夫が生活費を送金してくれないような場合には,夫に対して婚姻費用の請求をすることができます。
実務上は,年収に応じたある程度の基準がありますので,それに基づいて具体的な婚姻費用が算出されます。源泉徴収票や給与明細などを用いて,当事者双方の収入を認定した上で,婚姻費用が算定されます。
例えば,夫の年収500万円,妻の年収300万円,子どもが8歳と10歳で妻が子どもを育てているというケースでは,算定表では,月額6~8万円の婚姻費用となります。
個別の事情に応じて,修正されることもありますので,弁護士にご相談ください。