離婚と子ども

親権者の指定,変更

親権者と監護権者

 親権については,厳密には,次の2つの権利から成り立っています。

 ① 身上監護権 

 離婚後、子の身のまわりの世話、しつけや教育をしたり法の定めている身分行為の代理人となる事です。 

 ② 財産管理権 

 子が自分名義の財産を持っていて法律行為をする必要があった場合に、子に代わって財産の管理をする事です。

親権者決定の基準

 離婚の際の親権者決定基準親権者の決定は、子どもの利益や福祉を基準にし判断するべきものです。どちらの親を親権者と定めたら子どもの成長にとって望ましいかということが重要になります。

 

① 現状維持

子供の現状を尊重し、特別の事情がない限り、現実に子供を監護教育している親を優先的に親権者とするケースが多いようです。

② 母性優先

 乳幼児の場合には、特別の事情がない限りは母親が優先的に親権者になる事例が多いといえますが,反面,子どもがある程度の年齢に達していた場合には、その子どもの意向が尊重されるなど、ケースバイケースです。

面会交流権

子どもに会う権利があるか?

 面会交流権とは,離婚後,親権者若しくは監護権者とならなかった親が,その未成年子と面会・交流する権利をいいます。

 以前は面接交渉権と呼ばれていましたが,最近は,面会交流権という用語を用いるようになりました。

面会交流権の根拠や問題となる場面

 面会交流の権利には,従来は明文の規定がありませんでしたが,面会交流の権利があることは実務上,当然の前提となって運用されており,平成23年の法改正で面会交流に関して明文の規定も定められました。

 この面会交流は,離婚した元夫婦間に限らず,別居中の夫婦間,離婚係争中の夫婦間でも問題になります。

 

 

相手が子どもに会わせてくれないときは?

 相手方が子に会わせてくれないという場合,調停・審判を申し立てる方法があります。

 もしも,調停で話し合いがつかない場合,自動的に審判に移行します。

 調停段階で相当にこじれている場合,審判において,裁判所が面接の回数,日時,場所,方法等を細かく指定することもあります。

 

調停や審判で定められた面会交流を実施してくれない場合には?

 調停・審判に決められた内容を相手方が守らない場合,裁判所から相手方に履行するように勧告してもらうという履行勧告の申し立てをすることができます。

 また,審判等で定められた面会を拒否している相手方に対し,「面会を実現するまで一日ごとに○円」というように金銭の支払いを命じることができる場合があります(間接強制)。

 

 

子の引渡し

子の引渡の審判申立て

 別居中の夫婦の一方が子どもを勝手に連れ去ったり,離婚時に親権者を決定したにもかかわらず、親権者でない一方が親権者のもとから子どもを連れ去ったような場合に,相手方に対して,子どもの引渡しを請求することになります.

 この場合,家庭裁判所に子どもの引渡しに関する仮処分の申立てをすることが通常です.
 子供の引渡しをめぐる紛争は,緊急性が要求されることが多く,通常の審判申立てや調停ではその結論が出るまでに時間を要するため,迅速に判断される仮処分についても申立てを行うことが通常です

子どもの引渡しの強制執行

子どもの引渡しを命ずる家事審判や仮処分がなされた場合,子どもの引渡しの直接強制によって、権利を実現することになります.

 執行実務では,子どもは物の引渡しに準じて,引渡しの強制執行の対象となります.具体的には、執行官が相手方の元へ出向き,強制的に子どもを債権者(引渡しの権利者)のもとに直接連れて行くという方法により行われることになります.

 子の引渡しに関する強制執行については,相手方が激しく抵抗した場合などには執行不能になることが多く,事前の周到な準備が何よりも必要であるとされています.強制執行を成功させるためにも,専門家である弁護士の協力が不可欠であるといえます.

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