自分で手書きで作成する遺言書のことを自筆証書遺言といいます。
自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付、氏名を自筆で記載し押印しなければなりません。パソコンやワープロなどによるものは無効となります。
☆メリット
①作成に費用がかかりません。
②いつでも作成できます。
例えば,毎年元旦に遺言を書くということも手軽にできます。
★デメリット
①法律で決められた遺言の方式に不備があると,遺言が無効とされます。
例えば,日付を「平成12年2月吉日」とした場合,日付の記載を欠くものとして無効となります。
②遺言書を作成していても,遺言者の死後,遺言書が発見されないおそれがあります。
③遺言書を遺言者本人が書いたがどうかの紛争が生じることがあります。
④家庭裁判所での検認手続が必要となり,相続人には負担となります。
公正証書遺言とは,遺言書を公正証書にして公証人役場に保管してもらう方式です。
公正証書によって遺言をするには,証人2人の立会いのもと,遺言者が公証人に遺言内容を説明して公証人が書面化して読み聞かせ,遺言者と証人がその書面が正確であることを確認して署名・押印し,さらに公証人が署名・押印しなければなりません。
☆メリット
①確実に保管できます。
保管確実遺言書の原本は、公証役場に保管されます。
遺言者の死後に公証人役場で遺言があるかどうかを検索することもできます。
②検認手続が不要
③自書する必要はありません。
★デメリット
①公正証書作成には費用がかかります。
(財産の価額に応じて手数料が定められています)
②証人2名が必要となるなど手続が多少煩雑です。
遺言を誰にも見られたくない,公証人や証人の前で読み上げられたくないという人には,秘密証書遺言といった方法があります。
秘密証書によって遺言をするには,遺言者又は第三者の書いた遺言を封筒に入れて封入して遺言に押印したのと同じ印鑑で封印し,証人2人の立会いのもと公証人に遺言として提出し、公証人が所定の事項を封筒に記載したうえで,公証人、遺言者及び証人が署名・押印しなければなりません。
秘密証書遺言は,目にする機会が少ないといえますが,遺言者の要望があれば,当事務所でも対応します。まずは,弁護士へご相談ください。